1.正常眼圧緑内障の現状
2.自覚症状に乏しい正常眼圧緑内障
 
正常眼圧緑内障では徐々に視神経が萎縮して、ものが見える範囲である視野が狭くなっていき、ついには視力低下、そして失明に至ります。人間のものが見える範囲はだいたい上方60゜、下方75゜、内側(鼻側)60゜、外側(耳側)100゜ぐらいですが〔図2〕、その一部が徐々に欠けていき、どんどん見えなくなっていきます。

タイプ別緑内障頻度

〔図2〕 正常の視野
 
ところが中心視野は末期まで残され、視力が最後まで低下しないため、自分では気がつかないことが多く、視力低下を感じたころには、すでに最末期の状態であることが少なくありません。最後まで残った中心視野は最末期において失われ、外側にわずかに視野が残るのみとなると、視力は0.1以下に低下し、さらに、その残った視野すらも失われると、失明ということになります〔図3〕〔図4〕。
 
〔図3〕 正常眼圧緑内障初期の視野欠損 〔図4〕 正常眼圧緑内障末期の視野欠損