これは長浜町でのはなしです。
長浜商港にある二つの島、
大島、
小島は、
もともと
は隣りの町の沖に浮んでいたものだ、
と伝えられます。
・
・
・むかしむかしのこと。
たいそう天気の良いある朝、
いつものように目を覚
ましたその町の庄屋さんが、
大あくぴをしながら家の
まわりをプラブラしておりました。
海からは気持の良い潮風がわたってきます。
庄屋さんは、
「サア、
今日も一日が始まるぞ」と、
元気
よく腕を上げたり、
下げたりしました。
が、その時です。
何気なく海の方を見た庄星さんは腰を抜かさんばか
りに驚きました。
それもそのはず、
昨日まで唯青海原がひろがるだけ
であった沖に、
なんと島が二つ浮かんでいるじゃああ
りませんか。
「ヒャ|」
庄屋さんはぼうぜんとなって、
何がなんだか分から
なくなってしまいました。
唯分かることは、
昨日まで、
いや昨晩床に入るまで
何もなかった海に、
突然島が、
それも二つの島が現れ
ていたということだけでした。
少時の間庄屋さんは立っているのもやっとの思いで
した。
が、
だんだん落ちつきを戻し気をとりなおして、