クリスマス行事
アメリカに来る前におしんさんに、
「こっちで一番見たい物は何?」
と聞いたところ、
「アメリカのクリスマス。」
という答えだった。
『本場のクリスマス』が見たいそうなのだ。
本場かどうだかは不明だけど、よし、じゃあ、私達が毎年するアメリカのクリスマスを全部見せてあげよう、とやる気に満ちるメルモ。
だが、ここで一つ問題が。
ダラスでの時間は2日半しかないないのだ。
4日もかけてフロリダに行くのだから(私達は通常、2日もあれば車でフロリダまで到着するんだけど。)、スケジュール上、ダラスには2泊しか出来ない。
おお、これは忙しいっ。たった2日で、うちのクリスマスを全部見せないといけないなんて・・・。
そういうわけで、3人が到着した当日の夜には、早速、クリスマス行事第一弾としてパーティーを開く事にした。
その準備のため、前夜から ピカンパイを焼いたり、ターキーの下準備をしたりした。
このターキー(七面鳥)の丸焼きだが、初めてこれに挑戦した去年は、12キロもある肉の重さとその姿のグロテスクさに涙。ぎゃーっと悲鳴をあげながら料理したものだった。
もうそれから、4度目のターキー。触るのなんて、ちっとも怖くないさ。(でも、義理父の捕ってきた獣の肉は怖いよ。ううっ。)
今回のは、お友達のみーさんの秘伝・特製オリジナルレシピで、今まで作ったのと全く違う食材や方法だった。もうそれがばっちり美味しく出来、みーさんに感謝感謝である。
当日になって、ムサシの発熱のため、友人の子供達はキャンセルしたり(うつると悪いので)、風邪や都合で来れなくなった友人もいたりで、最初の予定よりも人数は大幅に減ったが、それでも大人8人子供4人集まった。
みんなで、食べて飲んで騒いで、その後はプレゼント交換ゲーム。
このゲームのため、みんな、『$5以下のプレゼント』を用意してもらっていたのだ。
プレゼントを山積みにし、その周りに輪になって座る。
ルールは簡単。
くじを引いて名前を呼ばれた人から、プレゼントを一つ選び、みんなの前でラッピングを開け、中身を見せる。次の人は、開けられてないプレゼントを取るか、または人がもう開いたプレゼントを横取りしてもいいのだ。
最初に名前を呼ばれたのは、うちの父。開けてみるとそれは、クリスマスブーツの形をしたキャンドルだった。
そして次は、私の隣に座っていた友人のグレッグの名前が呼ばれる。
グレッグは、
「どーしても、あれが気になる。」
と、一つのプレゼントを指差した。
・・・やっぱり?私も目をつけてたんだよ、アレ。
それは義理弟・ドーソンが持ってきたもので、ぼろぼろのシリアルの箱に入っていた。どれもこれもきれいにラッピングされたプレゼントの山の中で、一際目立ってたのだ。
グレッグが開けてみるとそれはGODIVAのチョコレートだった。
うわ〜ゴディバだよ!!私の大好物じゃん。
ってか、あれは5ドルなんかじゃ買えないよ。これはもらわなければ・・・。
横目でしっかり確認し、そのチョコレートに心の中で『横取り決定』と烙印を押す。
その後、もちろんグレッグから横取りし、そして取った後は、『これは私の物。絶対取るな。』という光線をばんばんだし、最後まで無事手に残す事が出来た。
このゲーム、単純だけどかなり盛り上がった。
熱があって元気のないムサシも、このゲームだけは一緒に見たいと言い、静かに一緒に座っていた。
そしてムサシが開けたプレゼントは、貝にサンタクロースが付いている、可愛いオーナメントだった。
すごく嬉しそうに、目をキラキラ輝かせるムサシ。病気でしんどそうにしていた顔に、やっと笑顔が出てきて、私も嬉しくなってくる。
ところがO伯父さんの番になり、
「じゃあ、記念にこれをもらおう。」
と、ムサシが持ってるプレゼントを横取りしようとしたのだ。
最初、冗談だと思ったんだけど、どうやら本気で取るつもりらしい。
ムサシは涙目になりながら、ぎゅっと大事なプレゼントを握り締める。
それをO伯父さんは、無理やり取ろうとする。
お、伯父さん・・・。
どうしても自分のプレゼントを渡そうとしないムサシにやっと諦め、
「じゃ、こっちをもらおう。」
と、今度は伯父さん、イトコのウェスト(4歳)が持ってるプレゼントを横取りしようとした。ウェストも必死で、自分のプレゼントを守ろうと握り締める。
あ、あのさ、伯父さん(汗)。
もっと大人になろうよ!!
その後伯父さんは、グレッグがその時持っていたクリスマスの飾りを横取りする事にし、一件落着。(グレッグは、次から次へと横取りされ続けられたのだった。)
パーティーはお開きとなった。
次の日は22日だったが、日にちのない私達の間では、「この日はクリスマスの朝」と設定されていた。
その日の朝に早く起きて、リーガンが、用意していたプレゼントをツリーの下に並べた。
その大量のプレゼントに、日本から来た3人はびっくり。写真を撮ったり大騒ぎしていた。
目覚めたムサシと一緒に、1階に下りてみる。
ツリーの下のプレゼントの中に、ずーっと欲しかったギターを見付け、ムサシ大喜び。
早速、がーがーぎーぎーと、うるさく弾くのだった。
階段に飾ってあったクリスマスストッキングの中にも、1人ずつプレゼントが入っていた。
もちろん、じぃじ・ばぁばトリオにも、ちゃんとプレゼントが用意されていた。
それは、私達からとリーガンの両親からの物。そして、「サンタより」と書かれたプレゼントもあった。
その、サンタさんからのプレゼントを開けた父と伯父。
それは2人お揃いの、緑や赤のサンタやトナカイの付いたトランクスだった。
それを見て異常に盛り上がる、じぃじ2人組。
「よっしゃ、アメリカに来た記念に、これを一緒にはこう。」
「いやー、これはハデだわ。」
このパンツの話しで何度も大笑いするのだった。
よかったよ、喜んでもらえて(笑)。
パンツと言えば、去年のクリスマスの事を思い出す。去年はリーガンの両親や兄弟がうちに集まってプレゼントを開いたのだった。
その準備も大仕事。
スースー(義母)のプレゼントは何にしようか・・・と、友達のアンディーに相談してたら、
「セクシーな下着は?」
と、提案された。
「きっと、みんなびっくりして笑えるよー。」
と言うので、ビクトリアシークレットで真っ赤な下着を購入。きれいにラッピングした。
当日、それを開けたスースー。
「まぁ、きれい!」
と言って普通に喜び、周りの兄弟も、よかったねーっと、本当に普通にながされてしまった。
あれ?誰も笑わないの??
期待はずれの反応に、肩透かしをくらったメルモ。
しかしその後、ディーさん(義父)が開けた「サンタより」(本当はスースーから)と書かれてあったプレゼントを見て納得した。
それは中に、赤と金のド派手なTバックパンツ(男物)が入っていた。
みんな大爆笑!!
こ、こうゆーレベルなんですか。アメリカの家族って、ここまでしないとダメなのね。
夜になってから、ライトアップしているご近所さんを見に行った。
どこの家も豪邸で、そしてライトがピカピカ、派手に飾ってあって、3人は本当にびっくりしたようだった。
ここの地域は、観光の馬車も出てるほど、毎年すごい飾り付けなのだ。
サンタクロースや雪だるまや、大きな人形がたくさん飾ってある家の前では、たくさんの人が記念撮影していた。
そこに行って、私達も写真を撮る。
O伯父さんなんて、そこにいた知らない金髪熟女にお願いして、一緒に写真に写ってもらい大喜び。よかったね。
慌しいダラスのクリスマスだったが、3人に喜んでもらえてよかった。
次の日からはいよいよ、長距離車の旅が始まるのだった。