「スペインの淑女たち」

問題の「スペインの淑女たち」ですが、調べてみると、歌詞には様々なものがあるようです。似たような歌詞の場合は、言い回しが微妙に違っている程度なのですが、中には全然違った歌詞で歌われているケースがあったりします。ここでは、「ヤマネコ号の冒険」の原書、Peter Duck,1983,Capeの407ページに載っている歌詞と邦訳版のヤマネコ号の冒険、アーサー・ランサム全集3 岩田欣三訳1968年第一刷、岩波書店525ページから抜き出したものを下記に掲載しました。ただし、原書には(もちろん邦訳も)2番の歌詞が、恐らく故意にでしょうが、掲載されていないので、原書に載っている歌詞によく似ている他のものの中から2番を選んで、それに訳をつけてみました。なお、話の進行には関係がないと思われるので、4番以降の歌詞は掲載していません。

問題点は何かというと、
「スペインの淑女たち」の2番の歌詞(下記歌詞の赤色の部分)に、「南西の風(つまり追い風)を受け」てスペインから英国へ帆走するさまが唱われているのにも関わらず、「ヤマネコ号の冒険」の中で、ピーター・ダックは、3番の歌詞(下記歌詞の灰色の部分)をティティが唄うのを聞いて、この歌は北東の向かい風の中をついて英国に帰ってくるさまを唱ったものにちがいない、と言った。これは、きっと、ピーター・ダックが2番の歌詞を忘れてしまっていたに違いない、つまりはピーター・ダックの勘違いだった。という見解が実際に本当かどうか、ということです。

そこで、まず、「スペインの淑女たち」で唱われている歌詞、特に2番と3番の整合性について見てみることにします。















Spanish Ladies スペインの淑女たち
Farewell and adieu to you,fair Spanish Ladies,
Adieu and farewell to you,ladies of Spain,
For we're under orders for to sail to old England,
And we may never see you fair ladies again.
さらば、永遠に。うつくしきスペインの淑女たちよ。
永遠に、さらば。スペインの淑女たちよ。
なつかしき英国におもむく命をわれらは受けたれば、
うつくしき淑女たちよ、またいつの日にか御身たちにあわん。
(cho)
So we'll rant and we'll roar like true British sailors,
We'll range and we'll roam over all the salt seas,
Until we strike soundings in the Channel of Old England,From Ushant to Scilly 'tis thirty-five leagues.
(コーラス)
さらばわれらはほえたける、まことの海の子のごとく。
大うなばらをはてしなく、われらはめぐりさまよわん。
わがなつかしき英国の海峡を進むその日まで。
アッシャントからシリーまで、三十五リーグの間。
Then we hove our ship to with the wind at sou'west,boys;
We hove our ship to our soundings for to see;
So we rounded and sounded, and got forty five fathoms,
We squared our main yard, up channel steered we
.
南西の風を受け、われらの船は、いざ進む。
海の深みを欲せざらんとすれば、
四十五ひろに底を見たり。
わが海峡をのぼらん、風を受けよ針路をとれ。
The first land we made it is called the Dodman,
Next Rame Head off Plymouth,Start,Portland and Wight:

And we sailed by Beachy,by Fairlight and Dungeness,
Until we brought to by the South Foreland Light.
われらが望む最初の陸地はドットマン。
ついでプリマス沖のレームヘッド、スタート、ポートランド、およびワイト島。
かくて、ピーチイ、フェアライト、ダンジネスをすぎ、われらはサウス・フォアランドの灯台にみちびかれて船をとむるなり。
「スペインの淑女たち」やサーガで唱われるシー・シャンティは、COOTさんのサイトで聞くことが出来ます。ぜひ、立ち寄ってみて下さい。
COOTさんの<Ransome Songs>へ
Swallows, Amazons & D's For Ever !