人気はいまいち

『実際に子供たちの身の上にはおこらなかった創り話』(子供たちが創ったお話もしくはファンタジー)であるとする説と、『実際に子供たちの身の上におこった物語』とする説があって議論される、というのは、ちょっと他のサーガには見られない現象です。

私にとって驚きだったのは、『実際に子供たちの身の上にはおこらなかった創り話』という解釈が存在する、ということでした。つい最近まで、「シロクマ号となぞの鳥」は他の物語同様(前掲「ヤマネコ号の険」と「女海賊の島」はもちろん除く)、時間的に連続したつながりがあるもの、とばかり思っていたのです。

ところが、ネット上やランサム関連の書籍を見ると、どうやら『実際に子供たちの身の上にはおこらなかった創り話』説は、結構たくさんの人達に支持されていることがわかりました。この傾向は、英語圏の人達の間で結構支持されているような感じを受けますが、ランサムが風景や構造物などについて、あまりにリアルな描写をしてしまったものだから、英語圏の人々、特にイングランドの読者にとっては、イングランドを舞台とする物語とそうではないところのお話とでは、作品に対して抱く親近感がちょっと違うのかもしれません。

やはりよく知っているところのお話というのは、より身近なものとして感じるのでしょう。「シロクマ号となぞの鳥」は、スコットランド北部にあるヘブリデス諸島が舞台です。同じ英国を舞台にした物語、と日本人である私は思うのですが、この舞台設定そのものが案外『創り話』説を強固なものにしているのかもしれません。

また、一方で「これでツバメ号シリーズの物語はおしまいかぁ。」という感傷的な気持ちに陥ることも多いらしく、このためかどうか定かではありませんが、「シロクマ号となぞの鳥」の人気は今ひとつのような感じがします。
それはともあれ、それぞれの説の根拠を見てみることにします。




















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