最後の記録

以上、色々と「シロクマ号となぞの鳥」が『実際に子供たちの身の上におこった物語』かどうかを私なりに考えてみましたが、実際のところ、これはやはり、読み手側の感性によってどうにでも考えられることなのだと思います。

ところで、この物語が「ヤマネコ号の冒険」や「女海賊の島」も含めて、他のサーガとちょっと違うのは、「遊び」または「子どもらしさ」が少々希薄である、という点にあります。この物語は、それまでの「遊び」や「子どもらしさ」から逸脱して(ただし、「海に出るつもりじゃなかった」は、この中で唯一例外にあたると考えています。)虚々実々の駆け引きが行われる「ビジネス」あるいは「大人の世界」の領域に入り込んでいるような気がします。
多くの人が感じる他のサーガとの違和感は、登場する人物や船、または舞台となった場所などよりもむしろ、ここら辺にあるのではないでしょうか。

だから、「シロクマ号となぞの鳥」は、『実際に子供たちの身の上におこった物語』でもなく、また、「ヤマネコ号の冒険」と「女海賊の島」のように子供たちが創ったお話でもなく、あくまでランサムのファンタジーである、と結論づける見解が存在するのもある意味でうなづけなくはないような気もします。しかし、そうは言っても、私はこの物語ももちろん『実際に子供たちの身の上におこった物語』と位置づけてしまったりしています。(^_^)v

私の場合、「シロクマ号となぞの鳥」は、ツバメたち、アマゾン海賊、D’s全てが登場して活躍した物語で、『実際に子供たちの身の上におこった最後の物語』として記録されたものと確信しますし、ランサムもそういう観点から、苦労して最後まで懸命に書き上げたものと思います。
そして、本文とは何の脈絡もない最終ページのイラスト「さよならシロクマ号」は、サーガはこれで終わりだから一所懸命頑張ったよ、というランサムの精一杯のサインではなかったのでしょうか。

















Swallows, Amazons & D's For Ever !