未確認?



こういう話もたまには……
ねぇ?


「あ、雪だぁ」

  背の高い方の少年がそう呟く。そして背の低い方の少年が高い方の彼を半眼で見た。

「……おい」

「スゴイなぁ。勢い増してきたよ。案外吹雪になったりして」

「ちょいまて」

  確かに雪の勢いは増していた。彼らの歩いていたいつもの見慣れている道は雪で真っ白になっていた。

 雪の降る時期には珍しくない光景である。しかし背の低い方の少年は納得のいかないといった顔をしていた。

「……どうしたのさ。雪が降ったらいっつもはしゃいでるのにさ」

  背が高い方の少年はのほほんと聞いた。それを聞いて一方の少年が怒鳴りつけた。

「お前はおかしいと思わないのかよ!?」

「え?」

  怒鳴られて辺りを見渡したが特におかしい所はない、と背の高い彼は思った。

「どこが?」

「今は夏だろ、バカ!」

  一瞬の沈黙。

「ああ」

  雪について何の疑問も持っていなかった少年はポンと手を叩いた。

  今は八月。夏真っ盛りでさっきまでは二人とも暑さに辟易してさえいた。

「気付かなかったのかよ!?」

「うん」

「アホかあ!!」
 
 そうやって怒鳴ってみるも全く景色に変化はない。むしろ雪の勢いはどんどん増していた。

「なんでこんなことになってんだ……」

「僕はわかったよ」

「あ?」

  横にいるのっぽのボケ(と一方の彼は考えている)の言葉に背の低い方の彼は尋ねた。

「わかった? じゃ、言ってみろよ」

「うん」

  彼は頷いた。

「宇宙人がね」

「やっぱその先言わなくていいわ」

「北極熊を」

「言わんでいいっ。無駄だ、時間の!」

「えー」

  いやいやをしている相棒を殴ろうかどうか迷って拳を握るが、ふと思いついて背の低い彼はその手を下ろした。

「よく考えたら」

「うん」

「こりゃただの異常気象だろ」

「えー。夢のない」

「じゃかしぃっ。宇宙人がどうとかいうよりよっぽど現実的だろうが!」

「怒鳴ってばっかいるとはげるよ」

「ウッガアアアアアアアア!!」

  と。

「あ、あれ!」

「あん?」

  背の高い方が驚いたような嬉しそうな声で声を上げ、空を指差した。小さい方はそっちを見て呟いた。

「う……そぉ」

「やっぱり!」

  空にはUFOが浮かび、中からはリトルグ○イと北極熊が手を振っていた。

「やっぱ宇宙人と北極熊だった!」

「なんでだあああああああああ!!」

  あまりの理不尽さに背の低い方は叫んだが、結局その叫びは誰にも届かぬまま雪に包まれて消えて言ったのだった。

 雪だるまと北極熊がそろって何故雪が降るのかは、リト○グレイと北極熊と背の高い方の少年だけが知ってることである。


【終わる】


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