世界の地理
偉大なる歴史家であり冒険家・グレムンの記述より
世界には今現在大きく分けて3つの大陸が発見されている。
それらは特別な名前は付けられておらず、西方大陸・中央大陸・東方大陸と呼ばれる。
私は中央大陸の人間であり、他の大陸は一度は訪れたとはいえ知らないこともあまりに多い。
故に、今回は中央大陸の地理について記したいと思う。
他の大陸については、まあ、機会があれば書こうとも思うが、今は研究段階にあるのだと
理解して欲しい。
さて、中央大陸には大きく分けて二つの勢力がある。
それが『アリア王国』と『百星諸国』である。
アリア王国は古くから続く由緒正しき国。気高き王の治める国である。
二分されている中央大陸の東側全てを有す大国家である。
一方、百星諸国は流星の動乱時に結束された百星同盟が名を変えたものである。
アリア王国に賛同しない、幾ばくもの国が連合体となり、ひとつにまとまり、またそれが分裂し、
百を越えるとも越えないともいう国家を内包するものとなったものである。
こちらは二分されている大陸の西側を有し、百星諸国内での会議によって決められた自治領を
それぞれの国が持つ。
これら二つの勢力はかつては争いを繰り広げていたが、現在はアリア女王・セルディアの言に
よって和解している。
それでは、代表的な都市や地域などを紹介していこう。
ちなみに、以下の記述で奴隷の数は数えていない。
把握できないためである。
(もしキャラクターの出自に「王族」が出た場合、百星諸国のうちの一国だとするとよいでしょう)
アリア王国 Alia Kingdom
・アリア Alia
人口:200万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:あり
アリア王・ファンダレイ・アリアの住まう場所。その城、城下町を会わせてアリアという。
当然、アリア王国の首都である。
物が豊富にあり、情報もまたしかりである。
冒険者訓練場もあり、多くの冒険者を生み出している。
王の選出は王家の中から男女問わずに選ばれ、冒険者として武者修行に出され、文武両道に優れたもの
を次代の王として現王が選ぶ。
王の傍らには常に大臣・道化・騎士・魔術師・司祭が控えており、急の決断の際には彼らの意見を一言
ずつ平等に聞いて意見を決定する。
冒険者が多く、それに憧れる者、依頼をする者が多くいる。
また異種族も多く内在している。
冒険者を志す者はまずここへ集まるべきであろう。
・ヒュール Huewl
人口:50万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:なし
工業都市であるため職人が多く、アリアに製品を出荷して栄えている。
職人ギルドの本部があり、三ヶ月に一度各ギルドの代表者で集まる集会が開かれる。
最高品質の武器・防具が揃っており、冒険者達も多く集まる。
ドワーフも多くおり、彼らの豪快さを知ることになるであろう。
酒とはいかにうまく飲めるものかを彼らに教わるのもまた一興か。
・ゼノン Zenon
人口:把握不能
盗賊ギルド:なし 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:なし 港:なし
ゼノンへ至る道には特殊な魔法がかけられており、そこにたどり着けた私は幸運としか言いようがない。
そこにはフェアリーと人間が共存して住んでいた。
魔法が非常に発達しており、強力な魔術師・法術師が住んでいた。
街は木造の住居があるだけでなく、色鮮やかな水晶で彩られていた。
私は、魔術に関して多少の知識があったためそこでは歓待を受けることができた。
フェアリーとはいかに愛くるしく、陽気な生物であるかを知ることもできた。
だが、詳しい内情まで教えてもらうことはできなかった。
まことに残念ではあるが、彼らの暮らしは謎に包まれている方がいいのかもしれない。
神秘の街、ゼノンに幸あれ。
・セミナス Seminas
人口:100万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:あり
東方大陸との貿易を行って、多大な儲けを得ている都市。
また、海上貿易だけでなく海上軍備の開発を進めて海賊に対しての防衛もしている。
東方の部族も少しだがセミナスに住んでおり、東方の珍しい物品を手に入れることもできる。
商業も発展しており、中央・東方のあらゆるものがここでは揃うのである。
海の幸がうまい場所でもある。
魚料理と共に嗜む酒のいかにうまいことか。
一度は訪れてほしい場所である。
・ガルナ Garna
人口:把握不能
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:なし 神殿:なし 職人ギルド:なし 港:なし
“盗賊の里”と呼ばれるアリア王国一治安の悪い都市である。
その名の示す通り、多くの盗賊が住んでいる。
盗賊ギルドの総本山があり、コソドロから暗殺者、果ては東方の『シノビ』と呼ばれる者達までを育成
しているとかしてないとか、その噂は尽きない。
力がある者、情報を持っている者、金を蓄えている者……とにかく、より人を出し抜いた者こそがこの
街では生き残ることができるのだ。
私も危うく有り金に留まらず、命までをも奪われかけた。
ガルナを訪れようという変わり者に告ぐ。
ここでは一時も油断してはならない。宿に泊まった次の日には一文無しになると思え。
・アダマ・フェノ・サ・レ・コス・マイン Adama=Feno=sa=le=Cos=Mine
人口:200万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:なし 職人ギルド:あり 港:なし
娯楽の街。アダマ・フェノ・サ・レ・コス・マイン。
長く、無秩序なその名前は、この町の自由と混沌を示している。
その長い名前は地図や文書中では『アダマ.(Adama.)』と省略されて書かれる。
アダマ.で人は酒に酔う、スロットやカード、ダイス等のギャンブルに酔う。
男娼や娼婦も多く、一夜の恋に憧れる者も多い。
ここはまさに天国のような場所だ。
だが一歩間違えば借金という名の地獄が待っている。
けして、夢には溺れぬことだ。
住人の数は200万人程度とされているが、客の数を含めると把握はできない。
・サージェの森 Sahge
自然の迷宮と呼ばれるサージェの森。
入った者はそうそう生きては出ることができないという。
また、伝説では森の魔獣・地龍ダナンが住んでいると言われている。
・カルナス平原 Karnass Plane
ビーストや遊牧民が多数見られる平原。
そこは広い緑の海原であり、定まった都市国家はない。
・テムス湖 Themms
水の大精霊・ウンディーネ=アムリナが住む湖で、豊かな水に咲き乱れる草花が有名である。
ウンディーネ=アムリナは気高く優しく、美しい女性の姿をして現れる。
彼女は人に知恵を授けてくれることもあるという。
・ガルトスの遺跡 Garutos
我が心の師である、大冒険家ガルトスが命を落とした中央大陸最大の遺跡で、その最深部を知る者はいない。
ガルトスは私が若いときに呼んだ書物に幾度となく現われ、私は彼に憧れて歴史を学び冒険を重ねた。
この遺跡の最奥まで行けた者こそが、最高の冒険者であると私は考える。
百星諸国 The Hundred Stars
・セドル帝国 Seddle Empire(Seddle)
人口:120万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:なし
百星諸国を束ねる盟主『セドル帝国』。
魔法を重点において発展した国であり、現帝王・ジェド・グレイ・セドル自身も魔術師ギルドの幹部で
ある。
帝王は等しく優れた魔術師及び司祭であり、優れた賢人である。
それは、誰にも把握できないと言われる百星諸国を把握するためであり、王家に伝わる秘宝(記憶力を
高めるという噂である)を扱うには高い魔力が必要であるのだともいう。
さて、ここでは最高の魔法の品を最高の値段で買うことができる市がある。
値段が張るとはいえ、魔法の品とは通常古代の遺跡でしか手に入れることのできない貴重品である。
それを金で買うことができるだけでも、この国は目を見はるものがある。
・風の国 Country of Wind
人口:10万人
盗賊ギルド:なし 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:なし 港:なし
翼人が住む国である。
翼人とはその名の通り総じて翼が生えている人達で、彼らは歌等の芸術に優れている。
アザン山脈のある頂に国を造り、慎ましやかに生活している。
あまりお目にかかることはできないが、アザン山脈を経由して貿易を行う商人などは時々その姿を見る
という。
私は風の国に一度だけ訪れたことがあるが、彼らの優雅な舞や音楽を一度見、そして聴いたなら、その
すばらしさを二度とは忘れることはできないであろう。
百星諸国に所属しているが実質は独立状態であり、あまり他国と交易を行わない。
・タナ国 Thana
人口:20万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:なし 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:あり
その人口の大部分をビーストが占める国。それがタナ国である。
王を『長』と呼び、民は皆長の『子』となる。
普通ビーストは一定の場所に定住することはなく常に大陸を漂流しているものだが、この国ではビース
トは家を持ち、家庭を持ち、職業を持つ。
この国では農業が発達しており、百星諸国の食料の多くをこの国で賄っている。
この国のパンは非常にうまく、果実もまたしかりである。
酒ならば、私はこの国の果実酒『サン・オブ・サン(Son of Sun)』をオススメする。
・ヤーヴァ Yarva
人口:40万人
盗賊ギルド:あり 魔術師ギルド神殿:あり 神殿:あり 職人ギルド:あり 港:あり
百星諸国最大の軍事国家。
国民全てに弓を扱えることを義務付け、教育に兵法などを組み入れている。
上流階級のものには絶対服従であり、平民は彼らに従う兵として働くことが多い。
剣技の訓練を受けた大人数の奴隷を十数人ほどのグループで狩る『獣狩り』と呼ばれる儀式があり、こ
れをこなした者はある程度の段階を飛ばして王宮の兵士として使えることができる。
この国の民は非常に排他的で、旅人をけして歓迎しない。
それは彼らの私を見る目を見れば明らかであった。
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