バラが咲いてる
基本よね…
何の基本って?
さぁて、ねぇ…
「っつーわけで、俺も一緒に仕事することになったんでよろしく」
「ヨロシク〜♪」
目の前の人達。そう御察しの通りユーロとサニーがそう言った。
「うん、僕も君たちが一緒なら心強いよ」
「がんばりましょうね」
そう、僕とミスティは言った。しかし、
「却下」
「言うと思ったぜ。セシリア」
「あーら、ティークさん。気安く名前で呼ばないでいただけますぅ?」
「あいにく、姓の方を知らないんだよ」
「セルンよ。以上」
ユーロは肩をすくめた。
おいおい。何でそんなに喧嘩腰なんだよ…
「ちょっと、何であんたってそんなに喧嘩腰なのよ。こっちは手伝ってあげるってのにさ」
よく言った、サニー。
「うっさいわね、チビ。こっちだって手伝ってあげるのよ。わかってる?」
「チビですってぇ!」
「なにホントのこと言われて怒ってんのよ。バカ?」
セシリアがため息を吐いて肩をすくめる。
「いわせておけぶわぁぁぁぁぁ!」
「お、おい。セシリア」
「なによ、ディクス」
「そろそろその辺にしといたほうがいいんじゃないかぁ?」
「なんでよ、私が引くなんて…」
「てりぃゃぁぁぁぁ!!」
バキャッ!
「いったぁぁぁぁぁぁ!!」
見事にサニーの蹴りが決まった。
「「一本!」」
ファーストとチックルが白い旗を揚げた。
と、セシリアが立ち上がり、
「くぉぉの、バカチビィィィィィィ!!」
バコォッ!
「ピキャァァァァァッ!?」
杖でおもいっきりサニーを叩き付けた。
「うーん、うまくきまったなぁ」
ユーロが呟いた。
「…たたたたたぁ…やったわねぇぇぇぇぇ…!」
「ウフフフフフ…だったら何よ」
「カクゴォォォォォォォォォォ!」
「返り討ちにしたげるわよっ!」
2人の戦いの幕が上がった。
「さて、あっちの2人は置いといて、だけど」
いきなりまじめな顔でファーストが切り出した。
「……………」
「??? どうした、みんな?」
「おいおい、ファースト、いきなりまじめな顔したら誰だって驚くさ」
「しかしチックル。おまいはあんまし驚いてないじゃないか」
「まあね」
「…ストップ」
僕はたんまをかけた。
「どうしたディクス」
「僕達は別に驚いてたんじゃなくてさ」
「脱力してたんですけど…」
僕の言葉をミスティが継いで答えた。
「なるほど。まぁいいじゃないか」
「…うん、そうだね」
僕は無理矢理自分を納得させた。
「とにかく話を続けるけど。ユーロ」
「ん?なんだ」
「君は僕らとは依頼主が違うと言ったよね?」
「そうなんですか?」
ミスティが口を挟んだ。
「あれ、いわなかったっけ?」
「はい」
「まぁ、とにかく、そうなんだけど…」
と、ファーストが話を続けようとした時、
ズッガァァァァァァッッン!!
まばゆい光と共になんかすっごい音がした。
「なんだなんだぁ?」
チックルがのんびりした声で言った。
爆発で舞い上がった砂埃がだんだん晴れてきた。
そこには…
「フ…フフフフ…なかなかやるじゃない」
「そっちこそね…」
ぼろぼろのセシリアとサニーがいた。
「すっげぇ」
ユーロが感心したように呟いた。
ファーストやチックルもそんな感じだ。
僕とミスティは呆然としていた。
「しかたないから、あんたは私の好敵手の1人に加えてあげるわ」
「そうね。私もあんたを好敵手としてみとめたげるわよ」
そして2人は握手をした。(セシリアの人差し指をサニーが掴んでて握手には見えないが)
僕はその後ろに霞が漂い光り輝きバラが咲いてるような気がして…
頭が真っ白になった。