あー行ってこー行ってそー


ふぅ、時々入るのよね。こー言う奴。
ごまかしのために言ってるんだろうけど、
こういう人達って頭に名に詰まってんのかしら?




                                                             ガランッガランッガランッ

さっき仕掛けた罠の一つ、鳴子が思いっきり鳴った!

                                                             ズザザザザッ、ドササッ!

「きゃっ、なによっ」

サニーが悲鳴を上げる。

俺は急いでハルバードを持って立ち上がると

「何者だっ!」

と叫んび駆け寄る。

魔物だったら言葉がわからないだろうがいわないよりマシだ。

しかし、

「あたたたたぁぁー…」

と、間抜けな声が聞こえてくるじゃないか。

しかも聞いたことのある声だ。

「…ったく、お前がさっきの兎はこっちって言うからさー」

「何を言ってるんだ。君だってそういってたろ?」

………

「なにやってんだ?チックル、ファースト」

攻撃態勢をといてそこのこけてる連中に話し掛けた。

人が見たら絶対呆れ返った顔をしているだろうと思う。

「おおおっ、ユーロじゃないか!おひさしぃ」

チックルがこけた状態で手を振りながら言った。

「やぁ、ユーロ。僕らは今食料の調達に来ていたんだよ」

同じ様な状態でファーストも言った。

「そうかい…」

やれやれ、昨日別れたばっかなのにこうも早く再会するとはね。

「あれ?ということは、ディクス達もこの近くにいるって事?」

「やぁ、サニー」

ファーストはそこで一度きった。そして、

「うん、そうだよ。ここからあー行ってこー行ってそー行けば他のもいるよ」

「あー行ってこー行ってそー行けば、なんて言ってもわかるかっつーの」

チックルがすかさずツッコミをいれる。

「ふーん、で?あんた達はなんでここにきてんの?」

「だから食料…」

「じゃなくてっ、あんた達もディクス達も合わして。何でこの森に来てるかって言う事よ」

言おうとしたチックルを遮ってサニーは言った。

そしてそれにファーストが答える。

「うん、それはね。僕らがここの問題物質の排除を頼まれたからさ」

「ばらしていいのかねぇ?」

「いいでしょう。いい。うん、決定!」

と言い合ってファーストとチックルは「HAHAHAHAHA!」と笑いだした。

「この人達…馬鹿だわ」

サニーがそう呟くのを聞き流して聞いた。

「問題物質ってのはなんだ?」

「知りたいかい?」

「ああ」

ファーストが少し考え込んで言った。

「聞いたら手伝ってくれるって言うなら」

「あ?」

俺は聞き返した。

「だから手伝ってくれってーの。どうもてこずりそーなことなんで」

と、チックル。

「…ま、いい。俺も一人ってのは心もとなかったんでな」

「私がいるじゃない」

サニーの言葉は無視した。

「なにいってるんだい?もしかして寂しかった?」

不思議そうにチックルが聞く。

こいつ等俺がなんでここにいるか全然きにしてねーな。

「おそらく俺の仕事とアンタらの仕事は同じもんだからな」

「えっ、じゃぁ君もフェイモンさんの依頼で化け物退治にきたのかい?」

「依頼人は別だが仕事内容は一緒だ」

俺はロボッツから仕事を引き受けたしな。

「なるほどそーいう事なら話しは早い。さっそく僕らの住処へいこうじゃないか」

「住処は違うだろー」

「じゃ、なんだい」

「巣窟」

「同じ様なもんじゃないか」

ほっとくといつまでも漫才を続けそうな2人に話しかける。

「で、ホントいって、お前らのキャンプはどこにあるんだ?」

2人は顔を見合わせると同時に答えやがった。

「「あー行ってこー行ってそー」」