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秋の夜長はセイゴ釣り

残暑厳しい中、みなさんの釣果はいかがなものでしょうか?
日中はとても暑くて竿を出す気にもなりませんが、日が沈むと幾分涼しくなってきます。
これから秋の夜長に向けて、のんびりと竿を出して、夜空でも眺めながら釣りをしてみてはいかがでしょうか。
そこで、今回の特集は「セイゴ釣り」にスポットを当てて、身近なポイントである「宍道湖」を例にした特集としてみました。

宍道湖とスズキ

宍道湖 嫁ケ島

宍道湖は皆さんもご存じのように海水と淡水が入り混じった汽水湖であり、七珍と呼ばれるたくさんの魚介類が採れることでも有名です。
その七珍の一つであるスズキは、これらの豊富な魚類を追いかけて、はるばる中海から移動してくるのです。
当然のことながら、その通り道である境水道や大橋川一帯でも狙うことができます。
これほどまでに遠征してくるのには、よほどおいしいごちそうが宍道湖にはあるのでしょう。
よく聞く話では春先には虫類(ゴカイなど)を、時期とともにエビ類、そして小魚(ハゼ等)を捕食しているらしいのですが、その実態は定かではありません。
宍道湖のスズキは日中は深場に身を潜め、警戒心の緩む日没頃からしだいに浅瀬に寄ってきて餌を探し回るようです。
必然的に釣りをする時間帯も日没以降となる訳です。
周囲40Kmにもおよぶフィールドを持つ宍道湖は、手軽なうえに安全で、しかもいたるところで釣りが楽しめるのですからみなさんも是非一度は竿を出してみてはいかがでしょうか。

 

セイゴ

出世魚であるセイゴは、体長がおよそ30cm程度ものが「セイゴ」と呼ばれ、およそ2〜3年で「フッコ(出雲地方ではチュウハンと呼ばれる)」にまで成長し、4〜5年で「スズキ(体長60cm)」にまで成長するようです。
これからの時期によく釣れるセイゴは「当歳魚」と呼ばれる生後1年程度の体長がおよそ15cm程度のものが中心に数釣りができます。
特に外灯やガソリンスタンドの照明が漏れる周辺にはベイトフィッシュとなる小魚等が集まりやすいので、その明かりの周辺にはセイゴが回遊している可能性が高いものと思われます。
そうしたポイントを狙って我々は竿を出す訳です。

釣 法

浮き釣り

電気浮きによるフカセ釣りが一般的で、シーズン初期は棚を深くして底を釣る感じで、シーズンとともに餌取りが増えてくるので棚を浅くしていきます。
餌は青虫(青イソメ)を2〜3匹掛けとするのが一般的で、シーズン前半のスズキがゴカイを捕食する時期には大型も狙えます。
日没直後の早い時間帯には遠投、深夜になるほど近場と投げ分けると好釣果につながるようです。

電気浮き

『電気浮き』
写真は単3乾電池1本を使用する電気浮き
遠投する場合は単3乾電池2本のものを使用
近場にはリチウム浮きやケミホタルなどを

投げ込み

投げ釣り同様の仕掛けですが、枝針はとらないで一本針仕掛けとします。
潮流の速い場所ではオモリ負荷を替えて対応できるので融通性があります。
浮き釣り同様、春先スズキがゴカイを捕食する時期には絶好の釣法となります。
この時期は一発大物の可能性も高いので、ラインやリールには気を使ったほうが良いかと思われます。
また、生き餌(ハゼ、エビ)などを使ってみるのも面白いかもしれません。

ルアー

最近流行のルアーは手軽なうえに比較的大型がヒットする確率が高いためか人気がありますが、いかんせんなかなか釣れません。
特に宍道湖などは回遊してくるスズキを狙うため、時合が合わないと全くといっていいほど釣れません。
時間に余裕のある方なら深夜にスズキが浅瀬に寄ってくる時間帯に釣行されることを勧めます。
使用するルアーはミノープラグと呼ばれる小魚をイミテーションしたものが一般的で、特に夜間には白ボディに赤ヘッドは必携かと思われます。
宍道湖の場合、ルアーの届く範囲は全体的に浅瀬なので、フローティングと呼ばれる水面に浮くタイプのもので、サイズは5〜7cmの小型のもので十分です。
また小型のセイゴ狙いにはソフトルアー(ワーム類)が得に有効で、これも白ベースや蛍光色のものによくヒットします。
宍道湖の場合、ストラクチャー(障害物)がほとんどないので、タックル(道具)はライトタックルで十分楽しめますので比較的安くて済みます。

ハ−ドルア− ハ−ドルア−
レッドヘッドと呼ばれるフローティング
ミノー、サイズは7cm前後がべスト!

ソフトルア− ソフトルア−
ゴカイ等の虫類をイミテーションしたワームや小魚をイミテーションしたグラブ
エビ類をイミテーションしたクローワームなど多種多様な種類のソフトルアーがあります。

釣 場

宍道湖は周囲40kmにもおよび、いたるところで釣りを楽しむことができます。
しかし、魚が着くポイント(ストラクチャー)がほとんど無く、全体的に浅瀬であるため、魚の警戒心が緩む日没から深夜帯が時合となります。
以下に宍道湖周辺および大橋川のポイントを紹介します。

運転免許センター前(松江市西長江町)

免許センター前

シーズンを通じて安定した釣果があり、初旬および終盤には大型も望めます。
比較的水深がありますので餌釣りに有利のようです。

山居川/乃白川河口(松江市嫁島町)

山居川河口

国道9号線バイパスの突き当たりを流れる山居川(さんきょがわ)
ボウル宍道湖側の乃白川(のしらがわ)
いづれも目の前の嫁ケ島を見ながら釣りが楽しめます。
特に、初旬および終盤には大型が望めます。
ただし西風に弱く、濁りが出やすい釣場です。

県立美術館前(松江市白潟本町)

県立美術館前

敷石があり足場の良い安全な釣り場で、街頭の明かりに集まる小魚を狙ってセイゴも寄ってくるようです。
サイズはセイゴクラスが中心となりますが、沈み藻が多いので仕掛けを取られないように注意してください
ただし、県立美術館の敷地内であるため、釣りができるかどうかは現在のところ不明です。

園灘周辺(平田市園町)

平田周辺

平田(宍道湖北部)の情報はあまり出てきませんが、まだ未開拓のポイントがたくさんありそうです。

新建川河口/五衛門川河口周辺(島村町)

新建川河口

出雲空港滑走路の北側を流れる五右衛門川河口は、真夏の深夜帯によくボイル(水面まで出て捕食)していることがあります。
シーズン初期には餌釣りで良型がよく釣れているようです。
また、最近では出雲空港周辺でもよく釣果が聞かれるようになりました。
ただし、周辺は航空路となりますので、就航時間終了後に出掛けましょう。

玉湯周辺(松江市玉湯町)

鳥ケ崎

玉造温泉から流れ出る玉湯川河口は、その温排水の影響か、シーズン初期にはよく釣果が聞かれます。
また、鳥ケ崎ドライブイン(国民宿舎麗雲荘)は足場もよく、安心して釣りが楽しめます。

来待周辺(宍道町来待)

来待川河口

来待(きまち)駅前から来待川河口周辺でも時折大きなサイズの噂を耳にします。
来待川の濁り水が宍道湖の汽水をカモフラージュしているのでしょうか。

宍道町周辺(八束郡宍道町宍道)

潜水道路

宍道町役場前の潜水道路は車を横付けして釣りができるポイントで、日中もコイやハゼ釣りで賑わっています
全体的に浅場ですので、遅い時間帯での釣果が良いようです。
また、出雲空港南側を流れる新建川(しんたてがわ)河口は、川幅も水深もあり河口としては申し分ありません。
シーズン初期には餌釣りで大型がよく出るポイントです。

大橋川(松江市内)

宍道湖大橋

大橋川にかかる各橋脚付近は絶好のポイントです。
水深があるため、その駆け上がり付近を攻めると良い釣果に恵まれるようです。
橋の上から釣りをしている人の姿も宍道湖の夏の風物の一つにもなっています。

大橋川 剣崎周辺

矢田の渡し

本流と支流の朝酌川と天神川が合流しており、スズキがつくには絶好のポイントとなっています。
下流の「矢田の渡し」はルアーフィッシングポイントとしてあまりにも有名で、特にシーズン終盤には大物が上がります。

釣 季

データ

私自信の宍道湖釣行も今シーズンで15年目が過ぎようとしています。
会社が松江で自宅が出雲という環境もあってか、シーズン中は帰路の道沿いにあたる宍道湖へはほとんど毎晩のように釣行しています。
宍道湖の魅力は何と言っても手軽で安全なところです。確かに海と比較すれば魚影、サイズともに落ちるかもしれませんが、安心して釣行できることで私のベストポイントになっています。
当初は餌釣りが中心でしたが、ルアーを始めたことで釣行回数が異常なほど増えてしまいましたが、そのおかげか最近になって少しづつ宍道湖の状況がなんとなく分かるようになってきた気がします。
まだまだ研究不足で十分とは言えませんが、皆さんの参考になれば幸いです。
宍道湖や大橋川は汽水湖であり、遥か遠くの境港からの潮位差の影響を受けるにはかなりの時間差があります。
基本的には下潮(宍道湖から境港へ流れる潮)がベストと言われ、特にその潮位差が大きく影響する大潮から中潮にかけてはベストタイムとなります。

潮位差

境港基準

ということで、特集の第2弾は「セイゴ釣り」にスポットを当ててみましたが、いかがでしたでしょうか?
身近なフィールドである宍道湖で、みなさんものんびりと釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
私も毎夜、宍道湖(宍道町役場前の潜水道路)に出没していますので、姿を見かけた方は是非ともお声を掛けてください。
また、この特集に関する意見、感想を頂ければ喜びます。