まるで小説とかの話みたいだね!




「あああああっ!もうっ、いつになったら着くのよっ!」

セシリアの声が街道に響き渡った。

「でもでもっ、多分もうちょっとよ、セシリア」

「ミスティィ?もうちょっとってどれくらいよっ?」

「ええっと。それは…」

ああ今度はミスティにつっかかってるよ。やれやれ。

しかしミスティもよくこんな凶獣とコンビ組めるな。感心しちゃうよ、ホント。

あーあ、今度はファーストになんか言ってら。

しかたないなぁ…ったく。

「いろいろ言ってるけどさ、セシリア。いつ着くかは君が一番知ってるだろ?」

「なんでよ!?うすのろっっ!」

「だって君が地図もってるじゃん?」

「えぇっ?」

僕が言ってやると彼女は冷や汗をだらだら流して驚いた。忘れてたな?コイツ…

「そういえばそうだねぇ。ディクスの言う通りだ。たしか君、昨日の夜にさ、

『あんたらじゃさ、めっちゃくちゃ心配だから明日は私が地図見るからねっ!』

とか言ってましたねぇ」

ファーストが僕に同意してくれた。でもちょっとどころじゃなく気持ち悪いぞ、その物まね。

「ええぇっ?そ、そんな事言ったっけぇ?私」

「言ってたよ」

「嘘ぉっ!?」

「ホントだよ」

「うん、言ってた」

「忘れてたの?セシリア」

「あははっ。自分の言ったこと忘れるなんて、馬鹿だね、姉ちゃん」

いつのまにか先に行ってはずのたチックルもいった。

けけけ、いい気味だ。やーい。

僕はにやにやと笑みを浮かべた。

「まぁ、どこの曲り道でどっちに曲がるかぐらいは覚えてるから安心してよ」

チックルがそう言ったところでセシリアの怒りが爆発した。

「うっさぁぁーいぃぃぃっっ!

どうだっていいでしょうがっ、

そんなことっっ!!」

セシリアがそう叫んだ。

その時っ!

「うっ、うわぁぁぁぁぁっっ!」

遠くで悲鳴が聞こえてきた。

「な、なにっ?いったいっ!?」

「とにかく行ってみようっ!」

僕らはいっせいに走り出した。

いや、しかし、まるで小説とかの話みたいだね!なんかっ。