なんちゅぅ偶然
「う…うぅぅぅんんん…」
頭がガンガンする…
「頭痛い…」
一体何がどうなったんだ?
とりあえず僕は起き上がることにした。
「やぁ、みんな。おはよう」
「あ、ディクスさん。起きたんですね」
「よぅ、ディクス」
ミスティとユーロが声をかけてくれた。
「あれ、どうかしたの?」
なんとなく嫌な雰囲気がしたので聞いてみた。
「ああ、それが」
「なんでもないわ」
ファーストの声を遮るようにセシリアが言った。
と、いきなり、
「やっほー、ディクスぅ」
小さな妖精が現れた。
「君は…ピクシーだね。なんでこんな所に?」
「あれぇ?私を見てもあんま驚かないんだ」
「まぁね。ピクシーは友好的な種族だって文献にものってたし」
「ふぅん。こっちの人達はあたし見てめっちゃ騒いでたのにねぇ」
その言葉にやはりセシリアが反論した。
「べっつに、当然の反応をしたまでよ。それにそいつが驚かなかったのはただ鈍いだけよ」
「鈍いって…」
ちょっとザクッ、ときた…
「セシリア、それは言い過ぎ」
うう、ミスティありがと…
「じゃ、ミスティ。あんたはこいつが鈍いと思わないのね?」
「そんな………思うかも」
思うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!
なんか泣きたくなってきた…
「ふぅ…それで、なんでピクシーがいるのさ…?」
僕はユーロから説明を受けた。(葵:4話参照でぃっす!)
「なーる。それでピクシーがここにいると」
「そうゆうこった」
「そうか、よろしく。サニー」
「うん、ディクス。よろしく」
「そういや、もし目的地が違うならよろしくって意味ないね…」
………点々転々天々………
チックルのその呟きに僕らは沈黙した。
そういやぁそうだ。意味がない。
「はは…は…」
笑うしかないね、こりゃ。
「なんか、マヌケだ…」
ファーストも呟く。
ええーいっ、くらぁぁぁいっ!
「ユーロっ!君達はどこに行くんだい?僕らは、ハマンカって村に向かってんだけど…」
その場を取り繕うつもりで僕は言った。
「そこに行くのさ」
「はいぃ?」
僕らは耳を疑った。
「そこに行くんだって。知り合いがいるんでね」
なんちゅぅ偶然。
僕らは呆気にとられていた。
「んじゃ、やっぱよろしくな」
僕はまたユーロと握手をした。