依頼主
知っての通り依頼をする人の事よ。
どんな思惑があって依頼するのかしらね?
ま、下手な話にのらないようにね……
ディクス臨終…… かと思ったら結構すぐ起きた。
つまらん……
「さて…… 話を続けようか……」
「大丈夫か? ディクス」
と声をかけてみるが、全然大丈夫そうじゃねぇな。
「なによ」
「何の話?」
サニーとセシリアが同時に言う。
……息ぴったりだな、おい。
「え、とね。ユーロさんの依頼主が違うって話よ、セシリア」
ミスティがセシリアに答える。
「ユーロ、依頼って何の話よ」
「あ? ああ、そうか。お前には言ってなかったな。
俺はここに化け物退治しに来たんだよ」
俺はサニーの問いに答えた。
「ええぇぇぇっ!! 聞いてないよっ、そんなこと!」
「だって言ってねぇし」
「ぶぅ」
サニーはふてくされてセシリアのふところに潜った。
「あんたヒドイやつね。連れにくらいそういうこと教えてあげなさいよ」
「……さて、俺の依頼主の話だが」
セシリアの言葉はあえて無視する事にした。
少しセシリアの眉がつりあがったがそれも無視する。
「さぁ、とっとと話したまえまえまえ」
偉そうだなチックル……
「……俺の依頼主は昔の冒険仲間で、ロボッツと言うやつで…」
「変な名前……」
「ファースト…… 話の腰を折らないでくれ……」
「ああ、ごめんごめん。続けていいよ」
「…ロボッツと言うやつで、魔術師だ。
俺はそいつにとある頼みごとをする代わりに依頼を引き受けたんだ」
「「ふーん」」
「「そうなんだ」」
それぞれが気の無い返事をする。
真面目に聞いてないな、こいつら……
まぁ、いいか。
「で、あんたらの依頼主は誰なんだよ」
「「え?」」
間抜けな顔でディクス達が聞き返した。
「お・ま・え・ら・の・い・ら・い・ぬ・し」
「ああ、うん」
ディクスが頷く。
「フェイモンっていう、フィゼア売りしてる人。
結構儲けてるみたいですごい豪邸に住んでたよ」
「ああ、クルス・フェイモンか」
「知ってるの?」
驚いた顔でディクスが尋ねる。
「あ? 何言ってんだ。ハマンカで知らない人間はいないほどの有名人じゃねぇか」
「そ、そうなんだ……」
「おいら達全然しらなかったよ。な、ファースト」
「そのとおり。知らなかったよ」
「知ってた? セシリア」
おいおい……
「当たり前でしょ。まさか知らなかったの? あんた達」
「「うん」」
「はっ、やれやれね……」
「なんだ、あんたは知ってたのか」
感心してに俺は言った。
「まぁね」
めんどくさそうにセシリアは答えた。
俺は肩をすくめた。
可愛くない女だ。
「さて、あんたらは化け物についてどれくらい知ってる?」
「え、と……形を変える危険な化け物、としか……」
ミスティが答えた。