異変
おかしな事に言うんだけどね。
普通に生きてる人には余りあって欲しくないこと。
だけど…
なければ、つまらないこと
「ねぇ、ユーロ。こんな森に来てどーすんの?」
「ああ、ちょっとね」
「ちょっとなんなのー?」
「ないしょ」
「えー、いじわるぅ」
とにかく。
ロボッツに言われた森に来たのであった。
ちなみにサニーには何も教えていない。
…というかめんどくさいんで言ってない。
「ユーロ、ここって入り口みたいなのないの?」
「あたりまえだろ。
ほら、ぶつくさいってないでいくぞ」
サニーにそういって先に進むことにした。
「あぁんっ、まってよー!」
無視。
さっさと行くことにした。
なかは結構暗い。
木々に邪魔されて、日光があまり入ってこないせいだろう。
「うぅぅ…なんかいかにもなんかなんかでそーだよぅ…」
「どーでもいいがなんかが多いぞ」
といってみるものの、サニーの言う通り、いつ魔物か何かが襲ってきてもおかしくない。
視界は良くないし、木々が邪魔をして、あまり闘いやすくはないだろう。
だいたい予想してはいたが、状況は思ったよりも悪い。
ハルバードをロボッツに預けて、グレートソードを買っといたのは正しかったようだ。
あまり変らないと思うかもしれないが、それでもハルバードよりはマシだ。
そんなことを考えていると、少し開けた場所に出た。
「さて、ここらへんで今日は休むか」
俺がそういうと、サニーが嫌そうな顔をする。
「えぇ!?こんなとこでぇ?」
「もんくあるか?」
「こんなとこで野宿するくらいなら今日一日かけて用事おわらしちゃおうよ」
やれやれ。
ま、用事ついて何も教えてなかったしな。
しゃーないか。
「残念だが、何日かかるかわかんないんでね。
もしかしたら今日明日じゃ終わらないかもな」
「うぅぅ…」
「嫌なら帰んな」
「わ、わかったわよ!
野宿すりゃいいんでしょ」
諦らめたか。
「よろしい」
「けどなんか出たら守ってよ」
「おまえ、精霊魔法使えるだろ」
サニーの動きがぴたっと止る。
「えぇ?なんのことぉ?」
「ごまかしても無駄。
ったく、いつもお前俺に戦わせてるし、たまにはなんかしろ」
「いいじゃん。ユーロ強いし」
「そーいう問題じゃないだろ」
やれやれ、なに言っても無駄か。
「とにかくテントと張るから邪魔にならないところにいろ」
「はーい」
返事をしてサニーがぱっと姿を消した。
テントを張り、周りに罠を適当に仕掛けると、飯の支度を始めた。
適当に火を焚いて、干し肉をあぶる。
「これもういいよね」
「んー、それは食えるだろ」
「おーけー」
あぶった肉をいくつかに千切って、石を皿代わりにしてサニーにわたしてやった。
「ありがと」
サニーは渡してやった肉にかぶりついた。
「んー、幸せぇ」
適当に食事を済ました。
「さて、そろそろ眠るか」
「うん」
そう言ったところで異変は起きた。
ガランッガランッガランッ
さっき仕掛けた罠の一つ、鳴子が思いっきり鳴った!