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特集★地域で取り組む有機農業
NPOふるさと弥栄
        ネットワーク紹介
やさか風土FOOD
やさか風土FOOD
「芳瑳恵さんが語る弥栄の夜話」
ようきんさったネ「田植えツアー」
やさか村にきんちゃんさい
2001年7・8月号 第1号 P.2

やさかタイムズ編集局  発行責任者/ありま みき
島根県那賀郡弥栄村三里ハ38
TEL 0855−48−2510







……弥栄村は人口わずか、1840人、高齢化率40%をこえる小さな農山村です。このNPO法人『ふるさと弥栄ネットワーク』にはどのような方が参加され、どんな思いで結成されたのでしょうか?……

 私どものNPO法人『ふるさと弥栄ネットワーク』は平成13年1月18日に設立の認証がされ、県内で17番目にまちづくりを目指すNPOとして誕生しました。
 ここには、一人ひとりが自発的にそれぞれの能力を発揮して、地域社会のために活動したいという人たちが集まっています。まちづくりという視点から、農業をベースにした地場産業の起業化や就農の受皿づくり、都市部の人々との交流、定住促進に取り組んでいくことを目指しています。地域に住む人々が物心両面において、豊かな生活ができるようなまち全体の構想や、まちづくり政策への提言活動などを行い、地域住民の生きざまとしてNPOを立ち上げました。

……今年1月のNPO法人『ふるさと弥栄ネットワーク』設立以前はどのような活動があったのか、設立に至るまでの経過について教えていただけますか?……

 NPOを立ち上げるまでの沿革には村おこし・まちづくりを提唱してきた弥栄村青年セミナーの活動があります。17年にも及ぶ活動は、島根県の第一回ふるさとづくり大賞等でその成果を表彰されてきました。
 さらに、地域の農業と消費者との交流を目指した基盤づくりを模索していたやさか共同農場との連携を行うことでようやく、NPOの組織を立ち上げることができたのです。まさに「人と人のつながりありき」なのです。
 私どもNPOの強みはなんと言っても1000を越える個人、団体のネットワークです。このネットワークを活かし、地域のグランドデザインを地域の人々とつくっていかなければなりません。キーワードは、農業・交流・定住、そして決断・スピード・実行力です。

    

     
  ……定款にはこの法人の目的として、「石見地域にすむ人たちとこの地域のまちづくりに関わる人たちに対し、都市・農村交流、定住、環境保全、有機食品などをテーマにしたまちづくりの推進を図り、地域社会の自立に貢献することを目的とする」とありますが、具体的なまちづくりはどのように進められていくのでしょうか?……
具体的な活動としては、

1、弥栄村農芸学校部門
農山村に農的生活や就農で地域に入りたい人への受皿支援活動を農事組合法人森の里工房生産組合、ビゴル門田生産組合など集落営織等と連携しながら実施します。

2、交流事業部門

第二のふるさと発見ツアー等、都市部の人たちを対象にした企画を通して村の応援団づくりや村内の交流を深めていきます。

3、有機食品部門

有機食品の認証を通した地域づくり事業については、持続的農業の支援ということで、有機栽培圃場の認証事務を進め、県内では初の有機JAS認証を32ヘクタール取得することができました。このように有機農業の普及のための学習活動も含め、島根県のエコ認証と連携しながら、地域農業の基盤づくりを進めています。

4、環境部門
河川の上流、下流の関係での水質浄化や、植林活動も進めています。

私どもはこのような活動を通して、地域で自立していく等身大のシステムを村の皆さんや、この地域に第二の人生をかけてU/Tターンしてくれた皆さんとつくりたいと思っています。
(この記事は国土交通省中国地方整備局・広報誌『みらい』4号、平成13年7月1日発行に掲載された佐々本さんの文章をもとにして作成されました。NPOふるさと弥栄ネットワーク事務局)
        

 7月9日、河本さん宅へ共同農場研修生でたずねました。河本さんは有機野菜づくりをなさる森里農家のひとり。きれいに手入れされた畑も気になりますが、今回はお料理。夏に食欲を誘うドレッシングとお漬け物をご紹介します。
 河本さんお勧めの野菜を美味しく食べられるドレッシングは酢味噌。少しずつ作り置きし、いつも冷蔵庫に入れていらっしやるそうです。今回は、赤玉ねぎ、キャベツ、人参、きゅうりを和えました。


     
下準備は次の通り
@キャベツは1Cm幅、赤玉ねぎはスライスし、軽くゆで、冷ましておく。
A人参はよく洗ったら皮はむかずに千切りし、きゆうりは食べやすくスライスして、塩を軽くふっておく。(水切りのため)後は、水気を切って、酢味噌で和えるだけ。野菜は何でも、あるものを使ったらいいよということですが、ポイントは彩りと野菜のカット。「おいしいのは味だけではだめ。見た目にもおいしくなくっちゃね。」
 河本さんは夏にはだいたい5種類くらいのお漬け物を冷蔵庫に常備しているということ。「冷たいお漬け物が夏にはおいしいよ。」その中でも、みんなでポリポリと沢山いただいたのが、「きゅうりの弥栄漬け」。きゅうりは梅雨頃から秋口まで森里であつかっている夏野菜。ウリ科の野菜は、体を冷やす・夏の水分補給・精神安定・食欲増進といった力をもっています。
「お料理の仕方は個人個人で違うから…」と遠慮がちですが、河本さんが料理をするときは「雑に切り捨てない」。虫食いなどは切り取って、できるだけ皮も一緒にいただきます。これも有機野菜の魅力のひとつです。
 「河本さん家の食卓には畑で取れた野菜が色とりどり。僕も久しぶりにおいしい野菜をいっぱい食べました。」とは、共同農場研修生の山崎くん(17歳)。河本さんのお肌のつやはきっと沢山の野菜を食べていらっしやるからなのでしょう。みなさま、さっそく作ってみては如何ですか?

  山代さんが言うには弥栄村はタイムカプセル。自分の目にするものは昔のままで、安らぎを感じるという。広島市内出身の由香さんも、星がきれいで、ほっとして落ち着くとうなずく。安城小学校に通う雄貴くんも虫を捕まえたり、友だちと遊び回ったり、ここでの生活を楽しんでいるよう。
 山代さんは今年4月から(有)やさか共同農場の商品企画チームの営業を担当している。広島で生活していた頃から、やさか味噌を購入していたという。帰郷して、生まれ育った弥栄村に微力ながらも貢献できればという想いから、(財)ふるさと弥栄振興公社の方向性や加工場建設予定、共同農場の動きなど今後の村づくりに関心を持っていた。そんな折、役場から共同農場を紹介されたという。代表の佐藤氏と話をする中で、共同農場が「やさか」として役場や公社とスクラムを組んで取り組む姿勢と、弥栄村をここまで引っ張ってきたひとりである佐藤氏の人間性にも惹かれ、勤めることを決めた。弥栄村にいた15歳までの記憶には実家や近所での野菜・米、豆腐や味噌づくりが今も残っている。「まさかそのときのことが取引先と話をするのに役立つなんてね。」という山代さん。これまでに営業職で培ってきたものを活かし、やさかの商品流通の原動力になればと志気が高い。
 長安のご自宅でお話をうかがったが、農場とはひと味違う穏やかな笑顔の山代さん。ご家族にとって、弥栄村は居心地のよいところなのだろう。

    
 「ここにきて、やっと地に足がついた気がするかな。」と笑う山代繁広さん(48歳)。一人暮らしの母親の暮らす弥栄村へ由香さんと雄貴くん(10歳)の家族3人で帰ってきた。中学を卒業してから、33年ぶりの帰郷となった。
        

 では、文字で確認できるのはいつか。「言葉」は時代の中でどんどん変化していくものであるが、地名は言葉の化石のように残されるそうだ。今も生きている地名を探ることで現在の私たちにつながる歴史が見えるのでは、ということで話を進めていこうと思う。
 古文書の中に見えるのは古代、『和名抄』の「杵東郷」である。現在の村の西部、木都賀を中心とする一体に比定される。1184年、源範頼下文案(益田家文書)には「杵東郷」とその一部が独立したとみられる「永安別府」が見える。藤原(益田)兼高の父兼栄の所領として安堵されている。範頼と言えば義経のお兄ちゃんではないか。思わず、おおっ、と声がもれる。また、1203年益田兼季が将軍の代替わりにあたって、父兼恒から相伝した国方所領である永安などの安堵下文下賜を申請している、とのこと。この代替わりとは、頼朝から二代将軍の頼家へ変わったこと。当時は長子相続ではなく兄弟相続で女子にも同等の資格があり、つまり相続方法はされておらず、所領争いの調停や、所領の安堵(つまり幕府のお墨付き)は、幕府の最大の仕事であった。この永安別府でも、文書に残っている相続争いが起きている。詳しくは、紙面の都合で次回となるが、現、弥栄村につながるこの地域は、古代・中世にも脈々と連綿と生き生きとあり続けたということがうかがえるのである。そこでの庶民の生活はどうだったか、というのは史料には残りにくいことで、他の中世の史跡などから想像するしかない。個人の素人考えとしては、ちょっと時代は下がるが、「もののけ姫」の背景に出てくる人々が近いのでは。この地方でもたたら製鉄は行われていたようであるし。ともあれ今の益田市を本拠とする益田氏の領地だった訳だ。この益田氏がまた名家にありがちの代々続くまぎらわしい名前で迫ってくれて、読むだけでも忍耐がいるのだが、益田氏がすったもんだで分家して永安氏になる下りをわかりやすく書こうという次回の予定。面白そうカモ、と思われました?(佐々本芳瑳恵)
 「弥栄村の歴史を」との依頼を受け、むむっと考え込んだ。まずは自己紹介をすれば、当方は八戸市から嫁して8年、歴史にも弥栄にもシロウトの一介の主婦。7、5、3、1歳の4児の母。夫は、骨のズズイのズイまで現地人で歴史好きの自称郷土史家。中世の山城調査などもしている。多方面に手も顔も口も出してご多忙ゆえ、門前の小僧ならぬ私めに何故かおハチがまわってきた。小僧は習わぬ経を読んでも、主婦が言うのは憎まれ口ぐらい。果たして務まるかどうか。夫の指導を仰ぎつつ(と、たてるふりをして)見切り発車となり、はてさて。本題へ。
 弥栄村の歴史はいつから始まっているのだろうか。人が住み始めたのはいつ頃かということならば、小坂、西の郷などに弥栄土器が散見されているという。圃場整備のため大部分が撹拝され、まとまった遺跡としては定められていない。
    


 去る5月12日共同農場主催の田植えツアーを行いました。広島・浜田などから50人もの方が参加なさいました。
〜参加者から〜
 田植えツアーに行ってまいりました!私が妊婦ということもあり、田植えは主人しか参加しなかったせいか、娘(4歳)は田んぼにひとつも足を入れようとせず…。「ドロだらけの娘」は私の想像のみに終わってしまいましたが、主人はとっても楽しかったようです。
 交流会では、いつもお世話になっている方々のお顔を拝見できてとてもうれしかったです。野菜をつくるのがいろいろ大変だと皆さん口をそろえておっしゃっていましたが、その苦労のお陰で私どもはおいしい体にうれしいものをいただけているんだなァと実感しました。なかなかうまくいかないとか形があまり…とかおっしゃっていますけど、私は届いていただいている野菜が大好きです!そして昼食にだされたおかずの数々…。みな味つけがほんのり、素材の味を生かしたものばかりで、とってもうれしく、とってもおいしかったです。主人は豆腐と酒に、娘は椎茸のたきこみごはんと豆腐に、私はカレーと野菜の酢味噌和えにはまっていました。幸せ〜!
 山菜採りに行った主人と娘、竹の子を見つけたのがとってもうれしかったようです。この竹の子をうちで煮ましたが、やわらかくて、とってもおいしかった!フキも香りがいい!自然の恵みを採りたてで味わえるなんてサイコーの贅沢でしょうか!?
 自然を体にいっぱいあびてとても楽しい1日でした。やさかのみなさま、森の里工房のみなさま、本当にありがとうございました。稲刈りツアーにはぜひ参加できたらと思っています。(紙面上中略させて戴きました。)
                     広島県 ちほのママ


 皆さんに植えていただいた田んぼは6月の終わりに2回目の草取りを終え、稲はそろそろ出穂。丈も30cmになりました。
 稲刈りツアーは9月22日(土)。刈り取った稲のはらりとした重みを皆さんの手で感じてみませんか。お待ちしております。(詳細8貢)

 

●8月15日(水)「弥栄村ふるさとまつり」
 毎年恒例の弥栄村の夏祭り。集落や村内グループからの出店や神楽・盆踊り・花火など。
主催:弥栄村
お問い合わせ:ふるさと産業課0855−48−2112
7月22日(日)「森は海の里」
 海の人、山の人と下草刈りや山の散策をしながら、森のこと海のことを考えてみませんか。
有機野菜のバーベキュー・川遊びもできます。
参加費:1,000円(昼食代・保険代)
主催:NPO法人ふるさと弥栄ネットワーク環境部門
●8月17日(金)〜8月20日(月)
     「第2のふるさと発見ツアー」
 島根県外在住の田舎暮らしに関心のある方、弥栄村・三隅町へし1らっしやいませんか。今回は弥栄1泊、三隅2泊での産業体験、地域交流となっています。山や海に囲まれて、島根暮らしに想いを馳せてみませんか。
参加費:10,000円(3泊4日)
主催:ふるさと森と海実行委員会 NPO法人ふるさと弥栄ネットワーク
●7月30日(月)〜8月2日(木)
          「第2期・ふれあい学校」
●8月6日(月)〜8月9日(ホ)
          「第3期・ふれあい学校」

 小学校3年生〜中学校3年生まで。川遊びやとうもろこし収穫、花火、バーベキューなど。この夏はワクワクの弥栄においで!!
参加費:20,000円(3泊4日)
主催:(財)ふるさと体験村 お問い合わせ:0855−48−2612
●8月17日(金)〜8月20日(月)
    「親子*第2のふるさとづくり」

 島根県外在住の小中学生のいらっしゃるご家族対象です。
ファームスティで生活体験や農作業、山川遊びなど、弥栄村を満喫できる3泊4日です。
参加費:1家族20,000円(3泊4日)
主催:NPO法人ふるさと弥栄ネットワーク
●8月5日(8)「枝豆収穫祭」
 草取りをすませ、後は収穫を待つばかり!オーナーの方もそうでなし1方も採りたて枝豆を食ベにいらっしゃしいませんか?
参加費:2、000円(昼食代)
主催:ビゴル門田
●9月22日(土)「稲抑りツアー」
 5月に手植えしていただいたところの収穫です。弥栄人とみのりの秋を一緒にあじわいませんか。
参加費:1,000円(昼食代)
主催:(有)やさか共同農場

                  

■編集後記
 「やまふところの弥栄村」に魅せられて1年。こんな山の中でも気持ちを持った人たちがいて、毎日のくらしがあります。それを伝えられればと、やさかタイムズを編集させていただきました。一度にお伝えできる紙面が限られていますが、毎号少しずつやさかのことをお伝えしていきたいと思います。お気軽にやさかタイムズへのご意見・ご感想をお聞かせください。今後ともよろしくお願いします。
やさかタイムズ名称募集
 今回からリニューアルしました「やさかタイムズ」の名称を募集します。
採用された方にはやさか有機加工食品から選りすぐりの商品を送らせていただきます。
締め切りは8月20日頃です。
みなさまのアイデアをお待ちしております。
ご応募は「やさかだより編集局」宛へ
■やさかタイムズお問い合わせ先
島根県那賀郡弥栄村三里八38
TELO855−48−2510 FAXO855−48−2066

E-mail sennin-g@sx.miracli.ne.jp

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