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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、今年のやさかの柱もやはり、有機・加工。取り組みの輪を村内へ広げていきます。具体的には・・・
@村の特産加工センター建設
これまで独立していた各加工所を一カ所に集約した村の加工センターを建設する予定になっています。今のところ、豆腐、レトルト商品、味噌梱包などが新加工センターへ移ることになります。また、煮豆などの豆加工は、冷凍枝豆を原料から生産するビゴル門田がすすめていくことになります。
Aやさかの特産品の共同開発
(財)ふるさと弥栄振興公社と(有)やさか共同農場が共同で有機農産物を用いた加工品の開発に取り組みます。これまで開発してきた「やさか仙人」ブランドに加え、新たな商品の開拓や既存商品の品質改善に取り組んでいきます。
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去る11月10日(土)、小松光一氏による『元気が出る農業講演』が弥栄会館で開催されました。村内からは、農家さん、弥栄村役場職員、農業研修生、振興公社職員が参加しました。一時間半に及ぶ講演は、農業を切り口にした村の産業おこし、村づくりがテーマでした。ここでは、その講演と講演で配られた資料(*)から内容の一部を紹介します。
―競争は激化し国際化する
今、中国では有機農業の取り組みが広がっている。巨大な農場の労働者の賃金は、日本円にして約月6,000円。しかもそれは、地方農民の年収相当に近い金額だ。経営者は職を求めてやってくるたくさんの出稼ぎ労働者を低賃金で雇い、日本をターゲットにした有機野菜の生産に取り組むことができる。農薬を使ったものに比べ、有機栽培の野菜は高い。有機栽培でやろうと思えば、薬で病害虫を殺さない、化学肥料を使わない、除草剤を使わない。その結果がどうなるかと言えば、まず虫食いがある、病気になる。同じ面積でも出荷できる量が減る。人が草を刈れば、労働力が増え、マルチを使えばコストがかかる。とすれば、有機野菜が高いのはあたりまえ。有機JAS法のおかげでブランド化でき、少々高くても消費者に納得してもらえるというところだった。が、中国から低価格の有機JAS野菜が入ってくれば、また競争になる。では、どうしたらいいか。
―弥栄村は「加工型有機農業」へ
僕の知り合いの人で第6次産業ということを言った人がいる。第1次産業は農業、第2次産業は加工、第3次産業はセールス(流通)。1+2+3で第6次産業になる。これはまさに弥栄村のこと。森の里工房生産組合を中心にした有機栽培、共同農場が中心となって進めてきた有機農産物を使った特産加工、そしてその営業販売。名付けて「有機百倍第6次産業の里やさか村」。これからの農業は加工。それも地元でつくった野菜を使うことに意味があるんだ。
「地産地消」という言葉がある。たとえば、東京の有機食品を扱うこだわりの店で、やさかの有機JAS のさつまいもを買うとする。ちょっと高いが300円払う。だが、弥栄村なら、同じ有機JASのさつまいもが150円で買える。それだけではない、「身土不二」というように、弥栄村で暮らす人たちのお腹には弥栄の菌がいる。僕がここに来て腹の調子が悪くなれば、それは僕の持ってる東京の菌が、弥栄の空気や土、水、野菜に含まれた弥栄菌とけんかをするからなんだ。地元のものを地元で使う。やっぱりそれが基本だ。弥栄村にある「やさか仙人」という酒はそのモデルといっていい。これはここでしか手にはいらない。ここの米を使い、ここから流れる水を使い、ここの人たちが飲む。そういうことだろう。
今、やさかの有機味噌や有機豆腐の原料を村内で自給することをめざして、共同農場が各集落に転作地での有機大豆づくりを提案している。農業の世界でつくる前から売れ先が決まっているなどということは、そうあるものではない。しかも有機だから、高く買ってもらえる。 |
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今は、5つの集落営農組織が取り組んでいるようだ。法人格をとったビゴル門田と共同農場がオペレーターをしている。が、なにもここに儲けさせる必要はない。他の集落も自分たちでやれば、オペレーター代を払わなくて済む。各集落が自立してそれぞれの経営に取り組んでいけばいい。
―これからの農業、もう一つのキーワードは交流 弥栄村には地域を考える2つの民間団体がある。(財)ふるさと弥栄振興公社とNPO法人ふるさと弥栄ネットワークだ。これからは役場はお金だけはきっちりだしてあとは、任せてしまえばいい。あとは、民間の力で動かしていけばいい。
公社の経営する「ふるさと体験村」は都市と農村を結ぶ架け橋の拠点としてつくられた。風呂に入るもいい、そばを喰うもいい、やさか仙人を飲むもいい、帰りに野菜や特産品ををおみやげにすればいい。弥栄村にはツアーもある。秋祭りのツアー、第2のふるさと発見ツアー。弥栄村に来て、地元の人にあって話をする。また来たいなぁと思う。そうやって関係をつくっていく。
都市の人が買い物に行ったとき、弥栄の野菜を見つける。あっと思って買う。そんな時、高いとか安いとかではない。知っているから買ってあげたいと思うし、あそこはしっかり農業をしていたと思えば安心して買うんだ。
―農家による農政
行政の「農家のための農政」などはありえない。農家自身が参加して、「農家による農政」を行おう。人任せではなく、自分自身のこととして取り組む姿勢にならないとはじまらない。まず、この村には看板がない。自分たちが何をしているのかアピールしなくては来た人たちに、何にも伝わらない。お互いにも何をやっているのかわからないでしょう。「有機百倍第6次産業の里やさか村」の看板を立てましょう。「ビゴル門田」の看板?それもいい。まずは自分のところをしっかりアピールしてからでもいい。
これからの弥栄村はやっぱり有機百倍第6次産業だと思う。役場と民間が一緒になって村の将来をみつめ、村の産業を本気で考える「有機百倍第6次産業塾」の立ち上げを提案したい。
2月には「有機百倍第6次産業塾」の開設予定です。
*・・・『地域資源活用「食品加工総覧加工編」』農文協2002,02,28 「島根県弥栄村:「醸造の里」構想の展開」小松光一著
小松光一氏:プロフィール
1943年北海道生まれ。グローバル地域研究所主宰、茨城大学農学部講師、大地を守る会顧問。1979年より千葉県農業大学校教官、平成4年より現職。弥栄村とは10年以上の関わりをしていただき「弥栄農芸学校」校長の立場からいのちを守る農業、アジア農民との相互交流などを提言。著書として「山間地農村の産業革命」(農文協)、「いのちの風、農のこころ」(学陽書房)、「進化へ向かう日本農業」(家の光)など多数。 |
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(財)ふるさと弥栄振興公社事務局
小池さんに
インタビュー |
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―有機JASに対する反応は?
「確かに有機JAS取得商品であるために他の商品に比べて多少の割高感はあるが、野菜・豆腐などの生鮮商品は売り切れてしまう。全体的に好反応だと思う。有機という言葉は広まっているが、有機JASについてはまだあまり知られていないようだ。」
―お客様に伝えたいことは?
「味を知ってもらうことが一番だが、村の場所、野菜に適した温度差の大きい風土であること、有機食品・農産物であることに絡めて、水のおいしさ、空気がきれいなことを伝えていきたい。弥栄の産品はめずらしいものではない。家庭で日常的に使ってもらえるものだからこそ、より健康でよりおいしい弥栄のものを使ってほしい。」
店頭に立ってからはスーパー等で商品に目がいくようになったという小池さん。「村の加工場建設予定をふまえ、原材料の村内自給体制や流通、品質改善がこれからの課題。」と話していらっしゃいました。
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―一畑百貨店弥栄フェアについて
「弥栄村のPRも含めて県内東部へ産品を広げていこうとしていたところ、有機食品に注目する百貨店からの要望があった。今は弥栄や商品のPRを行い、お客様の反応を見る試験期間として、月に1週間の産品フェアを組んでいる。」
―店頭に立っての感触は?
「食品売り場での販売なので、勢いで売り込むイベント販売とは違う。お客さんは買う気で来ている。一週間の内にリピーターになる人もいれば、商品の前を素通りする人、足を止める人、手に取った商品を戻す人と様々だ。その違いは商品の陳列の仕方だったり、説明なのかもしれない。これまで仲買業者を通じて商品の販売をしてきた。今回はじめて店頭に立ち、お客様と向き合うことで、売る側ではなく、買う側として商品を見て販売することが必要だと改めて感じた。」
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日時 9月22日(土)
場所 瀬川のたんぼ
(弥栄村、共同農場管理田)
5月の田植えツアーから133日経った9月22日、稲刈りツアーをおこないました。森里農家の串崎文平さんのご指導の下、村内、やさか近隣、広島からの参加者と一緒に稲刈り、ハゼ干しに挑戦しました。
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当日はとてもよいお天気で子供も大喜び。5月に植えた苗は弥栄のみなさんのいっぱいの愛情で大きくなってピカピカの稲穂を稔らせてました。
いよいよ稲刈り。みなさんに刈り方を教わりながら、そして田んぼに足をとられながらはりきって主人と長男が参加しました。私ともうすぐ2才になる次男は見学です。来年は家族4人でたくさん参加したいなぁ〜と思いながら・・
お昼はたくさんのおいしいお料理やお酒(主人がやさか仙人にべた惚れ!買って帰りました)を頂きながら、いつもおいしい野菜をつくってくださる弥栄のみなさん、スタッフのみなさん、参加されたみなさんのお話しが聞けてとっても嬉しかったです。胸いっぱい、お腹いっぱいのとても楽しい一日でした。
(広島のはらさん)
当日は晴天。ですが、前日までの雨でたんぼは・・・。あちこちで足を取られ、ひっくり返りながらの収穫となりました。ハゼ干しした稲は、5週間後(天候不順のため例年より時間がかかりました。)に脱穀。 俵の有機米ができました。2001年もまた、たくさんの方がたんぼにいらっしゃるのをお待ちしています。
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参加者からの感想
田植えツアーにつづき、稲刈りツアーに参加させて頂き、お世話になりました。何もかも初体験。すごく貴重なことで、これからは、わが家にとってとっても楽しみな恒例行事になりました!
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