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2001年9・10月号 第2号 P.2

やさかタイムズ編集局  発行責任者/ありま みき
島根県那賀郡弥栄村三里ハ38
TEL 0855−48−2510

グループホーム、「ふじいさんち」
       (痴呆対応型共同生活介護)
 「一応7時頃から朝ご飯にしようかなという感じだけれども、きっちり決めている訳ではないですよ。」と、スタッフの野村さん。「何時に何を」という決まりはなく、入居者・スタッフ、それぞれの体調や要望を出来る限り大切にしながら暮らしています。同じ集落の老人会の方々と花壇の手入れや、自給畑での作業などもしています。
 スタッフの多くは、これまでに老人介護施設などでの仕事経験をもつ、20代から50代の女性6人です。以前看護婦をしていた白浜さんは、「ここはひとりひとりと向き合いながらゆっくり時間が流れている」と。同じくスタッフの串崎さんも「ここには毎日の生活があるだけ。入居している方に、ふつうの生活をしていただきたい。」と話しています。
 スタッフが人居者を受け入れるのではなく、人居者もスタッフもそれぞれが受け入れあい、ひとりひとりの想いを大切にしてゆきたいという構想から生まれた「ふじいさんち」。今、5人の入居者との生活がはじまったところです。

 
「あれっ何でこんなところに?」と思わず振り返ってしまうような洋風の家が一軒。それが、グループホーム 「ふじいさんち」です。バリアフリーに設計されたこの家は、現在、仕事の都合上で弥栄を離れている藤井さん宅。活動の主旨に賛同する藤井さんから借り受け、グループホームやその活動の主体であるNPO法人弥栄発生活リハビリネットの活動の拠点になっています。
 NPO法人弥栄発生活リハビリネットは、今月5月に伊藤晴子さん、岩田芳江さん、幸田るり子さんの3名が発起人となって立ちあがりました。中心となった伊藤さんは以前から「子どももお年寄りもハンディを持った人も、一緒に生活する」ことを考えてきたと言います。昨年これまでの仕事を辞め、地域の人たちにも呼びかけて、本格的に活動をはじめました。呼びかけに集まった人たちは地元の主婦を中心に約20名。パンフレットの「高齢者であっても、障害者であっても地域でその人らしく、安心して暮らせるにはどうしたらよいでしょうか。」という問いかけに、実践をもって挑戦です。安心して老いることができる環境づくりとは?まずは情報の発信とグループホーム「ふじいさんち」が動き出しました。
 
 



 めっきり風が涼しくなって、秋めいてきましたね。稲刈りも始まり、田畑にはぜ干しの稲が見られるようになってきました。そんな9月のある日、藤井さんのお宅へお邪魔しました。藤井さんは、有機野菜作りをなさる森里農家の一人で、いろいろなお野菜を出荷なさっています。夏は、朝顔が咲き、西瓜がなっていた庭もすっかり秋の風情で、納屋の前には、堀りあげられたさつまいもがどつさり積んでありました。サツマイモは、食物繊維やビタミンCが豊富で、お通じをよくしてくれます。今回はそのサツマイモを使った甘煮を教わりました。甘さ控えめなので、お茶請けや、おかずにいかがですか?
1、さつまいもの薄皮をとる。
  (この際、タワシで皮をこすりおとすのがポイント。皮と実の間が甘くておいしく、また栄養価も高いのだそうです。)
2、さつまいもを食へやすい2.3cmの大きささに切る。
3、鍋にさつまいもを入れ、芋がちょうどつかるくらいの水を入れ、ふたをして柔らかくなるまで炊く。
4、柔らかくなっても鍋に水気が残っていたら、水気を切る。砂糖、しょう油をいれ、鍋をゆすりながら炒めます。炒飯をフライパンで転がすように、上下に揺り動かして芋がひっくり返るようにすると、まんベんなく火が通るそうです。焦がさないように注意して、まんベんなく味がついたらできあがり。
 藤井さんは健康のためにあまり濃い味付けにしないそうです。有機野菜は味が濃くて、今回のさつまいもも、砂糖をあまり入れなくても、十分に甘くておいしく頂きました。
他にも、天ぷらや長なすの煮物なども傾きました。季節の素材を生かした天ぶらで、さつまいもやしその葉などは定番ですが、これから出てくるしその実。しそのてっペんにこの季節に生えてきます。初めて食べましたが、さっぱりしていておいしいです。また、今は秋なすのおいしい季節ですね。藤井家に代々伝わるという長なすの煮物は、ご飯がとても進みました。欄外に記載したので、どうぞお試しください。(青葉)
*さつまいもの甘煮*
さつまいも 250g
 砂糖   大さし1位
しょう油   適量
 (作り万は、本文を)
*藤井煮(長なすの煮物)*
なす    500g
砂糖   大さし1
酒・みりん・しょう油 適量
@なすを4cm<らいに切る。
A沸騰したお湯で4・5分煮て、ざるにあげる。
 *なすの紫が茶色になるのが目安。
 *熱湯につけ煮<ずれを防きます。
B鍋全体に油をなじませる。
Cなすが底からひっくり返るように鍋を揺すって炒める。
D調味料を入れ、なすの水分で炊く。味を見たときにさっばりとしょう油味になるのが目安。
E弱火にして時々鍋をゆする。味の調整をして水気のなくなったところでできあがり。
 

第1期の村の農業研修生だった大内夫妻。今年8月に二人が経営をはじめる『やさか鶏苑』の養鶏所建設が完成し、17日には560羽余のひよこしがやってきた。「『はじまる』というほどの心境の変化もなくて、そのままはじまっちゃってる感じ。」もちろん、はじめてのひよこに緊張感もあるが、今、少し慣れてきたところ。これから1ヶ月半おきに4回、300羽ずつひよこが入ってくる。結婚して6年、弥栄に来て3年、養鶏をはじめようと思って2年。横浜でのすれ違いの暮らしに疑問を持ち、生活が出来るのであれば、ふたりで一緒に出来る仕事をしたいと思い、弥栄に来た。
 養鶏を思い立った行動派の祐里さんと「僕は冒険好きではないよ」という保守派(?)の匡さん。ちょうどバランスの取れたふたりなのでしよう。「何もないところからはじめるのだが、専業農家として一人前の生活を築くことにこだわりたい。」と話しをする。ゆくゆくは、卵の加工を行ったり、卵拾いのツアーなど人が集まれる鶏舎にしてゆけたらいいと構想もふくらむ。
 
鶏舎が建って、思ったより村の人達が見に来てくれる。村の人達の見る目も少し変わった気もする。「自分のやりたいことをやったほうがおもしろい。さすがに、もう後には引けないけどね。」と笑う大内さんの目は真剣。祐里さんも、「どうせ苦労するなら、自分のしたいことで苦労をしたいよね。」と。
 青空の真中の棚田跡にある「やさか鶏苑」。「天然元気玉」は、1月下旬頃からの販売予定です。

           

兼祐は所領をまず妻の尼良円に譲り、その死後は兼栄の娘、孫夜叉(尼良海、吉川経茂の妻)に譲るよう定めます。良円は夫の言に従うのですが、後、兼員が生まれたため、姉弟で分けるようにと言い残すのですが、これはやはりとんだ火種。お定まりの姉弟所領争い。結局は六波羅探題に持ち込まれ和解。等分して相続となりました。1333年、良海が永安を一分などの地頭職を安堵されていますが、この年は幕府が倒れた年。(元冠以降はバタバタと終局へ向かっていくんだなァ)永安も落ち着きせん。翌年、地頭職を嫡子吉川経貞に譲ったものの、1349年には、手継文書を取りこめて出さないと経貞を廃嫡、次男の経兼に譲ることになりました。中央は南北朝時代、48年に足利尊氏が征夷大将軍となるものの、戦乱の世の始まりです。
天皇家、将軍家、有力大名家が南北で争うのも、そもそもは相続争いの確執。この時代は、長子相続が絶対ではなく、また女子にも権利があったとのことでしたが、平等で合理的であるようでいて、多くの問題を含んでいた訳ですね 長子相続とし、例えどんなバカ殿でも可愛くなくてもその原則を崩さないというのは、後にどんな火種も残さないためのトップの心得かもしれません。
ま、下々の者とは全く違いますけどね。
 舌足らずですが、人間の集まるところ、どんなところにもドラマがある。弥栄村もまた然り。しみじみまとめる今回としましょう。秋です。
(佐々本 芙瑳恵)
時代劇、歴史ドラマはお好きですか。
 私事ですが、私のつれあいは、これぞ人生の楽しみという感じで大好きなのです。正確にはこの二者は別のものだけど、どっちも好きみたい。あまりの入れ込みようにこっちは醒めてしまう程。酔っ払いの隣では酔えない道理です。今は何といっても北条時宗。時空を超えて、一時そこは鎌倉時代。という訳で、今回は当時の弥栄村を眺いてみることにします。
 永安別符は、前回の益田氏の分家三隅氏の更に分家となる兼祐に譲られ、以後彼は永安氏を称するようになりました。(1246年、時宗の父時頼の時代に地頭職を安堵)。ところが1282年長子光栄がモンゴル戦役へ父の供をしなかったことを理由に不孝の罪で廃嫡してしまったのです。元冠は、1274年文永の役と81年の弘安の役の2度です。余談ですが 日本史には「乱」「変」「戦い」「役」「戦争」などあって、実は意味があるようです。そういえば。「役」は、この元冠の時と、秀吉の朝鮮出兵と源平の台頭期の東北の「前9年の役」「後3年の役」。並べてみればその含みが感じられようというもの。えみしの私としては何か、ねェ。おっと、ともかく、時は、2度目の元冠の翌年のことだったのですね。

懐中電灯をつけることもなく、月明かりを頼りに、片道30分ほどのウォーキングでした。「あんなに真っ暗なのは、はじめて。だから、月と星があんなに明るいことにも驚いた」とか。ちょうどこの日は天候にも恵まれました。
 これからの生き方を模索中の左登さんは、弥栄村にいる学生時代の友だちを訪ねてツアーに参加しました。「やさかでは、今までがちがちに考えていたものがほどける気がした。これまでは仕事と生活を当然のように別々に考えていたけれど、ここで出会った人たちの仕事と生活は切り離せない。生活を楽しむ姿を目の当たりにした。」とやさかでの1泊2日を振り返っています。
 夏のツアーは、東京から福岡まで19名の方が参加されました。次回は11月22日〜11月25日の3泊4日。弥栄村は2泊、三隅町は1泊です。秋の弥栄。あなたにとって、どんなツアーになるでしょうか。
(8ページ参照)
 東京から参加の左登麻衣子さんが、「やさか」といって思い出すのは、昼食の「そうめん流し」と「ナイトハイク。」
 山の小川での「そうめん流し」は、当日の朝、4〜5mのもうそう竹(直径が12cm位の太い竹)を切り倒して、小川から水を引けるように設置。参加者の方々と、残った竹でそばちょこやお箸も作りました。今回で4回目の参加になる田村さん(広島県)は「これは孫にもやらせたい!」と。鮎のだしが効いためんつゆも、地元釣り師の佐崎さんのお手製でした。
 夜の部の「ナイトハイク」で目指したのは、浜田の漁り火の眺め。
 

11月2日(金)〜4日(日)
    「秋祭りツアー」2泊3日

 弥栄村の産業祭、お宮での神楽(錦ヶ丘八幡宮二番まつり)鑑賞、手織り、食づくり(そば打ち、味噌づくり、豆腐づくり等)体験など、弥栄の秋いっぱいの贅沢なツアーです。是非この機会に、弥栄を訪ねてみませんか。

参加費:おひとリ20,000円
     (募集人数40人)
主 催:ふるさと体験村
お問い合わせ:0855−48−2612

11月22白(木)〜25日(日)
 「第2のふるさと発見ツアー」

    ★弥栄:22日〜24日/2泊 
      三隅:24日〜25日/1泊
 由舎暮らし体験希望者を対象にした、今回で第6回目になる恒例のツアー。弥栄村と隣町の三隅町の合同企画です。神楽鑑賞、食づくり体験、紙すき、木工クラフト等々。弥栄・三隅の紹介、地元の人との交流を大切にしています。弥栄・三隅を第2のふるさとにしてみませんか。
ご家族でのご参加も大歓迎です。

参加費:大人10,000円
     小人(中学生以下)5,000円
      (募集人数20人)
主 催:NPO法人ふるさと弥栄ネットワーク

      
9月30日(日)「きのこ採り会」
 ★天候不良時は10月8日(月)祝日
 山のきのこの先生と秋の味覚を収穫してみませんか。どんなきのこが採れるかは山に入ってからのお楽しみ。秋の弥栄を感じてみませんか。

参加費大人(中学生以上)2,500円
     小人(小学生)   1,500円
主 催:ふるさと体験村
お問い合わせ:0855−48−2612
10月27日(土)・28日(日)
  「きんさい石見路ツーデーウォーウ」
 幽玄な杉木立、美しい渓谷、遠くに日本海が望める雄大な景観、江戸時代の石畳路、そして何よりも本物の田園風景と新鮮な空気。この機会に、自然と歴史に満ちあふれた秋の石見路のすばらしさを、たっぷりと味わってください。

参加費:1日1,500円(当日2,000円)
主 催:きんさい石見路
     ツーデーウォーク
お問い合わせ:0855−29−5512

編集後記
 隔月発行と思って悠に構えていましたが、あっという問に2ヶ月が過ぎてゆきます。こちら弥栄村の朝夕はもうすっかり秋の風。もう、弥栄の稲刈りもおわり。そばの花が広がっています。弥栄村にいて、米国同時多発テロ事件をテレビや新聞で追いながら、国という言葉で見えなくなるものが多いことに、改めて驚きます。今、私に出来ることは何?1日も早く事態が好転することを願います。
やさかタイムズお問い合わせ先
島根県那賀郡弥栄村三里八38
TEL0855−48−2510 FAX0855−48−2066
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